業  種:
  • 医療・介護・福祉

事業者名:NPO法人辰野自立生活支援の会 あかり

町の人々のこころの内に灯されるあかり

1997年当時、女性の社会進出が求められる中、子育てや高齢者・障がい者の介護の負担が重くのしかかっていました。そうした現状を見据え、相互扶助の助け合いのシステムをつくる必要性を強く感じたという。

1998年5月、そうして発足したのが
NPO法人任意団体辰野自立生活支援の会あかり。

 


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助けを求める人、そして担う人。
会費を出し合った仲間同士で、お互いの能力や技術を提供し合い、支援者にも利用者にもなれる仕組みだ。また現在では、会員以外の人も利用可能な講座や教室、子育て支援、配食など、その活動は多岐に渡る。

辰野町にお住まいの方に広く知られる吊るし雛もまた、ここの教室でつくられたものだ。

 

 

そんなNPO法人辰野自立生活支援の会 あかりのスタートは、どの様なものだったのだろうか?

 

「その頃は、介護保険制度もなく、女性自宅で介護するのが当たり前という時代。私自身、両親と祖父母と同居していたので介護の大変さは身に染みて感じていました。周囲を見渡しても、介護に疲れた主婦の方が多くいました。そんな中、地域での助け合いの仕組みが必要だと思ったんです」

 


向かって一番左にいるのが理事長の小林テル子さん。

 

そう語るのは理事長の小林テル子さん。

 

「これからは社会全体で介護をしたり助け合うことが必要だと感じました。その頃、高齢化社会にともなう介護の問題が取り沙汰される中で、こうした話題も話しやすい状況になりつつありましたね。そんな中、志を同じくする仲間たちと勉強会を重ねました」

 

仲間たちと話し合いが行われる中、お互いに、助ける人にも助けられる人にもなれる持ちつ持たれつおたがい様。個人の得意とする分野で活躍できる組織づくりが浮かんだ。

 

「これだ!と思いました。そもそも辰野町では、手を差し伸べ合う人々の動きがあるボランティア活動が盛んな町でした。高齢者のご自宅へ伺って入浴介助、シーツ交換をするなどの地域ボランティアがありました。共に助け合う地域福祉運動が理解され、助け合い活動が始められるのではと思いました」

 

 

1997年3月、生活クラブ辰野支部大会にて地域福祉活動の推進承認を受け、1998年3月には地域福祉の会の名称、運営規約などを決定。
1998年5月に発足会を行いました。

 

「発足時、活動の拠点はここ共生館ではなかったんです。今は赤羽にある町の施設共生館あさひヶ丘を拠点としておりますが、当初は宮木にある喫茶店オーリアッドの一角を借りて、喫茶店の運営、展示スペースの運営をしながら支援事業をやっていました」

 

 

こうした活動を小さな枠の中で機能させるのも大変な事。
相互扶助のシステムは将来、日本の社会全体で必要となってくるだろう。
その将来を見越した先見の明と類い稀なる行動力に驚かされるばかりだ。

 

とは言え、発足時はお世辞にも順調とは言えなかったという。

 

「そうして始まったあかりですが、最初の月の依頼件数は僅かに6件でした。一日の間に一件も電話もならない日もありました。このままでやって行けるのかと思いましたね。今では定期的に、月100件以上の依頼があります」

 

発足当時100人だった会員は、現在では約300人になっている。

 

「定例会を重ねる中で、どんどんと賛同者(会員)も増えました。最初は小さな光でも、いつかは大きなあかりになれる!そんな願いを込めて“あかり”という名前が出て来ました。2003年4月よりNPO法人辰野自立支援の会 あかりとなりました」

 

 

会員が増えていくきっかけは、何かあったのでしょうか?

 

「少しでも多くの方にあかりの活動を知ってもらうために、毎月発行している“あかり通信”は、毎月40名のボランティアが300名の方々に届けてくれています。当初は会員同士の間だけの相互支援でしたが、会員外の方も参加できる事業を実施しています」

 

「題字は会員の方が書いてくれました。パンフレットの絵は会員で、以前絵手紙教室をしていた先生の作品です。あかりは本当にみんなでつくってきたんです」

 

21世紀の社会が目指すべきこととは?

 

「核家族が当たり前になった現代。介護も含め、助け合いや相互扶助といった仕組みは、より一層必要になってくると感じています。そうした未来を見越して、まずは誰かが始めないとですよね。私たちには志を同じくする仲間がいました。それがとても幸運だったと感じます。一人で社会は変えられないけれど、何人か集まれば、微力でも何か社会のチカラになれると思うんです」

 

 

 

配食サービスを拡大しようとしていると伺いましたが?

 

「あかりキッチンでは、高齢者向けの配食サービスを行っています。栄養バランスの良い野菜たっぷりの温かいお弁当をつくって届けています。配食サービスは、ただお弁当の配達だけではないんです。配達先の皆さんの見守りという意味も強いんです」

 

 

親と離れて暮らしていることから、見守りや声掛けをしてもらえるあかりに配食を依頼されるケースもあるという。
顔を見て見守りをする、あかりのサービスならではの安心感からだろう。

 

「配達の際に会話することで、皆さんの健康や様子を知る。その点を大事にしています。配食サービスの拡大にあたり、あかりの事業に理解のある方に、調理・配達を有償ボランティアとして参加していただけると嬉しく思います」

 

 

会員が受けられるサービスと非会員でも受けられるサービスとでは、どの様な違いがあるのでしょう。

 

「会員の方には自立生活支援事業《会員同士の支え合い》として、食事づくりや掃除にゴミ出し、草刈りなどの家事作業。通院、散歩、話し相手などの見守りや介助。買い物や薬の受け取り、書類作成などの代行などがあります。また、ふれあい事業では、作品作りやコンサート、お花見やもみじ狩りなどを楽しめるミニデイサービス。お茶をしながら、万葉集の歌とその背景を講師の手作り教材で学ぶ古典に親しむ教室や短歌の教室もありますよ」

 

 

こちらは、あかりサロン陶芸教室のワンシーン。
みなさん前のめりになって作品づくりに取り組まれています。

 

「そもそも自立生活支援をはじめたのは、介護保険の対象にならない人達でも受けられるサービスを提供したいと考えたからなんです。サービスを一方的に提供するのではなくて、会員同士で相互に助け合いをするシステムがあかりにはあります。自立して生きていくための支援と相互扶助の助け合い。それが、あかりの基軸になっています」

 

 

「まだまだ元気で体の動く高齢者の方もたくさんいらっしゃいますよね。そんな方には、是非会員になっていただきたいです。配食や家事代行、介助のお手伝いは、支援者として行っていただけます。あなたの特技や経験が役に立ちます。まずは、気軽に問い合わせて頂けると嬉しいです」

 

入会金1,000円。年会費は3,600円。
自立生活支援の利用料金は、一時間当たり900円が基本料金。

時間帯や平日や休日によって異なります。
支援者として活動していただいた方には、頂いた支援料金の8割が支払われます。

 

 

「会員以外の方でも利用できるのが、リラックスヨガ、吊るし雛教室、オカリナ教室、みんなでお茶をしながらお喋りするあさカフェ、うたごえ喫茶などがあります。また、栄養バランスのとれた5品目の温かいお弁当の配食サービス、認知症の方とその家族とで、一緒に食事をつくったり、ティータイムを楽しむオレンジカフェがあります」

 

 

書道教室もスタート! そして、なんといってもあかりで行われている作品づくりでは吊るし雛が有名だ。

 

吊るし雛について、副理事長の吉江洋子さんにお話を伺いました。

 


吊るし雛教室の皆さんと、講師をされている吉江洋子さん(中央)

 

「吊るし雛との出逢いは、主人と一緒に伊豆の河津桜を見に行ったときです。自分でつくった吊るし雛を露店で売っていらっしゃるお婆さんと、とても話が盛り上がったんです。それを見ていた主人が伊豆の稲取に、吊るし雛の教室を見つけてくれたんです。その吊るし雛教室でひとつうさぎの飾りをつくったのが、そもそもの始まりなんです」

 

 

「その露店のお婆さんが、吊るし雛について色々と教えてくれたんです。ひな壇のお雛様は高価で買ってあげられないから、お雛様の代わりに作ってお祝いをして来たという歴史が江戸時代からあったんだそうです。女の子が、無事成長できるように、母親やお婆さんの願いを込めて一つ一つが作られているんですよ・・・と話してくれました。その途絶えていた風習を10年ほど前に復元させたのが伊豆の稲取なんです」

 

 

「それから絹の会の森先生との出逢いがありました。出会いって不思議ですね。このタイミングで森先生が言ったんです。吊るし雛をあかりの教室でやってみたらどう?つくりたいって思う人がきっとたくさんいると思うわよって」

 

「この言葉が私の背中をポンっと押してくれたんです。辰野町に帰って来てから、ソーイング教室のみなさんにその経緯を話したら、やって欲しい!やりたい!って声が上がったんです」

 

 

3.11東日本大震災の復興を願って3,200個の桃の飾りを荒神山のパークホテルのロビーに飾られました。

古くから桃には邪気、悪霊を退治すると伝えられています。
伊豆の稲取の吊るし雛との出逢いから11年。

現在までの経緯を伺っていると、縁というのはつくづく不思議なものだと感じます。

 

 

今では、辰野町の多くの人々に大切にされている愛くるしい吊るし雛は、心が癒され幸せが訪れますようにとの祈りが込められています。

 

NPO法人辰野自立生活支援の会 あかりの活動は、こうして確かに多くの人の心にあかりを灯している。

 

  • 会社情報
  • 会社情報
    事業者名NPO法人辰野自立生活支援の会 あかり
    所在地〒399-0424 長野県上伊那郡辰野町赤羽100-2
    電話番号0266-41-5256
    FAX0266-41-5256
    E-mailnpo-akari@ina.janis.or.jp
    URLhttp://www.npo-akari.com
    設立年月日平成10年5月
    代表者名理事長 小林テル子
    全従業員数300人(会員含む)
    主な業種自立生活支援・配食事業
    事業内容家事支援・配食弁当製造
    会社PR

    会員相互の助け合いをモットーに事業を展開しているNPO法人です。
    あなたの少し空いた時間を有効に地域の場で活用できる組織です。

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所在地〒399-0424 長野県上伊那郡辰野町赤羽100-2
電話番号0266-41-5256
FAX0266-41-5256
E-mailnpo-akari@ina.janis.or.jp
URLhttp://www.npo-akari.com
設立年月日平成10年5月
代表者名理事長 小林テル子
全従業員数300人(会員含む)
主な業種自立生活支援・配食事業
事業内容家事支援・配食弁当製造
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