お客さんに寄り添う提案型企業

創業1960年、今年60周年を迎える「株式会社 赤羽製作所」。
先代の意思を継ぎながらも新しい取り組みで着実に業績を上げているものづくりの会社です。

2016年に就任された赤羽泰徳社長と赤羽隆行専務にお話を伺いました。

どんな製品を作られていますか？

〈赤羽社長〉
「主には機械部品とか部品加工、金属加工ですね。今は一番多いのは釣具の関係ですね。」

〈赤羽専務〉
「釣具のリールの部品でも中に入っている細かい部品から外に出るような外装部品などいろいろと作っていますね。」

〈赤羽社長〉
「でも、釣具一辺倒じゃなくていろいろやってます。自動車部品もありますし、半導体の設備部品もありますしね。
うちの場合は量産を得意としていていますが、製品の数量が非常に多いものから少ない中途半端な量までカバーできるという特色をもっていています。それに加えて試作もやりますし。」

〈赤羽専務〉
「100個や200個の数量は試作屋さんでは多くて嫌がるし、完全な量産屋さんだと少なくて嫌がる数量なんですが、弊社は喜んでやります。数量は多いに越したことはないのですが、100個や200個でも多くの競合さんと比較すると優位性があると考えています。」

4年前に先代から引き継がれたということですが、、
今何人の従業員さんがいらっしゃるんですか？？

〈赤羽社長〉
「正社員32名と役員が4名で全部で36名ですね。それとパートさんが今12名。そして派遣社員の方が12名いますね。なので全員で60名ですね。」

〈赤羽専務〉
「社員は女性が今9名ですね。全体では16名が女性です。男性の方が遥かに多いですし、現場では製造の方をやってる女性社員は1人で、あとは全員男性です。」

技術的な面では長年やってる方達が多いですかね？

〈赤羽社長〉
「そうですね。それは間違いないと思います。うちの場合はですね試作段階から量産までやるのでそういう設備とかっていうのも設計して作ったりしていまして。いわゆるその生産設備ですね、機械から作ったりっていうこともあります。お客様側の方から色々とご注文いただければうちの方でこういう形で安くできますという専用機械を作ってみたりだとかですね。それで生産するってことが多いです。」

〈赤羽専務〉
「非常に私どものそこがやっていて面白いところかなと思うんですけど、いわゆる営業畑の社員は営業しかやらないとか、製作の人は製作しかやらないじゃなくてですね、かなり多岐に渡って色々できるので。なので機械加工しつつ設計したりとかですね。経営をしつつ設計したりとか、そういうようなことができるので。

なので例えば、お客さんの方で
『これ位の価格でこういうものを作って欲しい』
っていうな要望があれば、うちの方で
『こういう方法はどうでしょうか』
というような提案をさせてもらったり、特に釣具なんかは
『こういうデザインにしたいんだけどどうしようか？』
と相談を受ければ、
『こういう風にやればこれ位のコストで抑えられるからこんな形はどうでしょうか』
っていう提案をしたりしてお客さんに寄り添って要望を聞き、できる限り良いもの作っていきたいですね。『提案型企業』なんです。」

〈赤羽社長〉
「まあ僕らとしましてはお客さんの要求に対してが全てです。それにそぐわせるということが一番の目的ですので、高精度の製品もできますし、お客さんの要望に合わせて安い製品ということでも対応できますし。
世の中の要求というのは高精度で安いのが一番良いので。いろいろなバランスを取りながらやっていますね。」

〈赤羽専務〉
「そうですね、やっぱりお客さんによっても求めるところって違うので。」

〈赤羽社長〉
「お客さんの要望に対してだいたい応えられるようにしなくちゃいけないと思っていますので、まあそういうスタンスがおそらく先々代から受け継がれたスタンスだと思うんです。
我々は柔軟に対応するっていうことを念頭にずっと活動していますので。」

〈赤羽専務〉
「あとはやっぱりいろいろな加工ができるので、丸物、旋盤加工から角物、フライス加工、多軸加工や長物加工、最近では重切削も少しづつできるように機械を検討しています。」

〈赤羽社長〉
「我々の代になってからなのかもしれないし、ひょっとしたら先代からそうだったかもしれないんですけど、『お客さんからこういう製品を加工できるか？』とか、『こういうものはできるか？』って言われた時に、今そこにノウハウが我々としてなくても、とりあえず挑戦するってことにはしているんですよ。それがうまいこと繋がってきている部分が実感としてありまして、、それは間違いなく言えると思います。」

〈赤羽専務〉
「まあどうしてもね材料とか削ったことなくて、これ削れないよねっていうような物もとりあえず削ってみよう、とやってみてからお客さんに報告してますね。」

〈赤羽社長〉
「削ったことない製品を削るっていうのは結構会社としては冒険なんですよね。」

〈赤羽専務〉
「ノウハウがまずないっていうのと、あと機械とかもそれ用の対応の機械を買ってるわけではないので、どうしても硬い金属があればそれなりに強い機械が必要だったり力のある機械が必要になってきたりするんですが、中で今ある機械でやってみたらどうかなってことを提案したり、こういうサイズだったらできるねとか提案をさせてもらったり。やっぱりそういったものに挑戦をして新しい仕事をいただいているっていうのがありますね。」

〈赤羽社長〉
「我々の代になってから4年になりますが、その中でいくつか思い起こしても挑戦して良かったなってことは多々あるので。」

挑戦して新しい仕事に繋がったがってことも？

〈赤羽社長〉
「それはもちろんそういうことが多かったって印象の4年間なので。
実際最初の段階で今まであるノウハウを使ってそれに有効なお客さんを見つけるっていう発想の時期にあったと思います。もしかしたら先代も引き継いだ時マインドセットでやってた可能性もあるんですけど、我々が知ってる範囲はそこまで踏み込む形ではなかったんですよね。
それで機械をうちで製作して従来の加工機ではない方法で加工してっていうそういうノウハウはそこで確立されているものですし、そこで多分かなりの意味で挑戦してるんですね。」

〈赤羽専務〉
「お客さんから言えば赤羽製作所に聞けばなんとかしてくれるとか、なんとかやってくれるとかそういう風に言ってくれる企業って結構多くてですね。
でも、それは先々代からとか先代の時からあるんでしょうね。
困った企業の力にはなりたいし、困ってる案件はなんとかやっていきたいです。
そういうところで仕事が大きく繋がったっていうのが今まで結構多くあるんで、そのところはやっぱり大事にしてるところではありますね。
特に他のところは出来なかったのにうちはやるぞ！というところはありますので。」

〈赤羽社長〉
「そう言う意味でも社員のレベルアップを明らかに目指しているところがありますね。」

〈赤羽専務〉
「社員研修もありますけど目標を個人でも出してもらうし、あとやっぱり会社で目標としてることがあるので、そこに向かってみんなで改善しようよとかいろいろとそういうような内容をやってます。ですので以前に比べたら現場の人が積極的に売り上げをあげようと努力してくれたり、効率よくやろうと努力してるなっていうのは目に見えてわかりますね。」

〈赤羽社長〉
「現場のレベルアップは著しいですね。そういう形が一番いいですね。」

最後まで笑顔でお話してくださった赤羽社長と赤羽専務のお話は正直楽しかったです。
実は事業を継承するときについてもたくさんお話していただきました。
そのお話を掻い摘んで少しだけ、、

〈赤羽専務〉
「私どもも現場の叩き上げだったんで、、」
「元々は畑違いの仕事をしていて13、4年位前にここの現場からスタートしました。継げということは一度も確かに言われたことはなかったですが、決断は早かったです。」

〈赤羽社長〉
「昔からこの世界は厳しい世界なんだろうみたいな感触ではあったので、、僕はそういう感覚でずっと生きてきたんですよね。。」
「特に我々二人はおそらく継げ継げとは言われたことは無かった、一度も。
我々が強制されてではなくてやっぱり自発的に入ってこの会社をよくしようと思っているので。」

赤羽社長の最後の言葉に社長の覚悟を感じられて印象的でした。