日本唯一のノウハウをここから全国へ

私たちの生活の中で当たり前のように目に入ってくる看板やマンションなど建物や駅などの内装、または工事現場の保護パネル。

そのあらゆるところに使用される多機能素材「プラメタル」。実は辰野町で培われた技術が活かされています。
その日本一と言ってもよいプラメタル加工技術は辰野町小野の『積水樹脂プラメタル株式会社』にあります。
昭和41年設立以来、企業の成長と共に地域の雇用を支えてきた会社です。

総務部長の藤原さんと総務部の東さんにお話を伺いました

〈東さん〉
「今、従業員が100人位で年商が46億円になります。
国道沿いのここが本社でちょっと離れたところに工場があります。他に東京営業所、大阪営業所、茨城県に関東工場があります。」

多機能素材「プラメタル」とは？

〈東さん〉
「プラメタルっていうのは製品のカテゴリーの１つなんですね。
いろいろな樹脂をアルミで上下を挟んでサンドイッチして板を作る、というものになるんですよ。色々な用途に使用されているんですが代表的な物はアートパネルという製品なんですけど、お店のサインとか看板とかによく使われている物なんですよね。」

実際にどんなところに使用されているのでしょう？？

〈東さん〉
「用途に合わせてアルミではなくスチールを使用した製品は黒板とかホワイトボードになります。実際にどこの会社さんでもよく見かけるホワイドボードも当社の自社製品なんです。
発泡スチロールなど断熱材を持たせたタイプの板になりますけど、学校などのサッシの欄間用にも使用されていますし、板にパンチング加工をしたものですと目隠しの役割もあるしデザイン性に優れているので集合住宅の手すりだとか温泉などで使用されることもあります。
穴開けはパンチングだけでなくお客様のリクエストに応じて色々な大きさや形に加工することできます。鉄板にそういった穴開けるということは大変なんですが、これもうちの技術力ですね。」

〈藤原さん〉
「国土交通省の規定をクリアしているものは駅前のターミナルとかバスターミナルのシェルターの通路の屋根とかなどに使用されたり、この辺りで見ることは出来ないんですが、主要ターミナル駅など、要は日本全国で使ってもらっています。」

〈藤原さん〉
「その他に、板の表面にインクジェットで印刷をかけて看板や簡易トイレの扉など、用途は幅広いですね。
また、防音、防炎、防塵ってことで工事現場や解体工事する際の環境配慮として防音性能を活かした防パネルを使ってもらっているんですが、この製品は日本で98％くらいのシェアでほぼ独占しています。
10年くらい前に赤坂プリンスホテルを解体した時にも使用されましたよ。
最近ですと高速道路が走ってる下のところにも囲って音を漏らさないようにっていう使い方も結構されてますし、道路の改修などにも使われだしてる製品になってます。
板自体にも光触媒といって汚れが落ちやすい性能を持たせてるので、水をバァーってかければ汚れがサーって落ちるんです。ですので何回でも使っていただけるんです。」

これらの製品（プラメタル）は実際にどのようにして作られているのでしょう？

〈東さん〉
「簡単に言いますとアルミで樹脂を挟んで板を作るんです。（ラミネート）
まずコイル状のアルミ箔の表面に塗料を塗って乾燥させてから再び巻き取るっていう作業からスタートしていきます。その塗料を塗ったアルミとアルミの間にドロドロに溶かしたプラスチックの樹脂を挟み込んで圧をかけ板にしていくというのが基本的な流れになってるんです。」

〈藤原さん〉
「そこからお客様の要望に応じ寸法にカットして、場合によっては穴開け・パンチング・印刷などの加工をして製品となっていきます。
ベランダとか駐車場の周りに目隠しに使用する製品は板の周りにアルミの枠をはめ込む作業が手作業で行われます。」

〈藤原さん〉
「実はこのアルミで樹脂挟むラミネートの設備って独自の設備なので日本全国でこの会社だけなんですよね。
独自で作り上げてるんです。似たような会社は色々あるんですけれども、こういった製法で作ってるのはこの会社だけなんです。」

ということで、ラミネート設備の写真はNGです。
ですが、この『ラミネート作業員を募集中』です！

〈藤原さん〉
「ここにしかない機械ですのですぐ戦力にはならないです。戦力になるまで指導していきますが3ヶ月から半年位はかかります。
50mくらいの大きさの機械になるんですが3人のチームを組んで動かして、交代勤務でやっていきます。今は4組2交代勤務でやっています。」

〈東さん〉
「仕事をするのに資格が必要な作業もありますが、いろいろと資格がなくてもクレーンやフォークリフトなどはここに来て勉強をして資格を取ることもできますので心配いりません。」

欲しい人材は？

〈藤原さん〉
「若くて元気がいい子がいるのであれば良いですね、会社に活気も出ますし。
今は平均年齢でいうと40歳ちょっと超えてますので。年齢層でいうと30代、40代が多いんです。」

この仕事をしている楽しさ、面白さっていうのは？

〈藤原さん〉
「意外と身近なところに自分たちの製品、作ったものがあるっていうのは喜びだったり面白さだったりすると思います。例えば、有名なお店の看板とかでも実はうちの製品なんだよって言うと知らない人は結構びっくりするんですが。そういった看板だったり、横浜駅とか大きな駅の天井や電車の内装だとか、目に見えるっていうのは仕事のやりがいにも繋がります。」

この会社の強みは？

〈藤原さん〉
「結束力ありますよね、うちの会社って。
忙しい時とか急にオーダーが増えたときとか、そういった時に皆んなでなんとかしてやろうという時の団結力、すごいなぁと思います。一気にやりますからね。」

こうしたい、など望みはありますか？

〈東さん〉
「辰野町でこの小野の会社が認知されているかな？ってところがあるんです。
工場が奥まったところにありますので知らない方が多いのでは？と思います。
でも、従業員の皆んなが毎日頑張って日本唯一のノウハウでここ小野から全国発送しているので。もっと認知されたいですね。」

最後にひとこと

〈藤原さん〉
「仕事で何を持ってやる気を出すかってのが、難しいかもしれないですけど、身近に自分たちで作った製品があるっていうのが嬉しいと思いますし、これが本当に自分たちの製品なんだって、そこに自分たちが誇りを持っていられる。
なかなかね、普通の仕事してたらそういう事ってないじゃないですか！」