- 業 種:
- ものづくり
事業者名:株式会社 シンセイ
ここで作る理由とは
赤い会社名と渦を巻いたようなロゴマークに目を奪われる建物。
春になるとこの桜のトンネルを通って通勤、通学する人も多いはず。
株式会社シンセイ。
2007年6月箕輪町から移転し、ここ辰野町に本社を構えた。
「一社の競争力というよりも、地域の競争力で世界の仕事をココに集める、そういった事は可能なんじゃないかと考えています。その一助になれれば非常にいいかなと思っています。」
硯の作家だった父親の背中をみて育った川口社長はいずれ自分も跡を継ぐものだと思っていた。
しかし日中国交回復で中国から20分の1くらいの金額で同じものが入ってきたという。
2倍や3倍ならなんとか対抗できたが…この段階で跡を継ぐ事をあきらめたという。
当時めっき企業の息子が川口社長の同級生で、仕事の手伝いをした事が現在の業界に入るきっかけになったという。
また、他のめっき企業への入社が決まったあと、4ヶ月時間をもらい、武蔵工業大学へ通い、めっきの専門家にめっきの勉強をさせてもらったという。
「途中から入り、先輩方の足を引っ張りたくなかった」
いざ、入社すると足を引っ張るどころか、指導側に回ってしまったみたいです(笑)
「一つの行程で部品づくりが完結するということはありえなくて、前後の行程が同じような力を持っていないと、やっぱりいい部品はつくれないんですよね。そういった意味ではこの地域の特性みたいなものを、意識しながら、異業種・同業種との連携っていうのをどれだけ深めていけるかっていうことが今後発展する、しないの分かれ道となっていくんじゃないかな。昔のように“うちの企業が一番”なんてことを今やっていても、たかが知れています。新興国、特に中国なんかは部品づくりでもどんどん力を付けています。中国なんかは全行程を社内に取り組むので、連携でモノをつくる概念はありません。コスト競争力って単に人件費ではなく、モノ作りのスタイルで差を付けられてしまう可能性があります。」
一社にどれだけの力があるのか、そう言われると心もとない所が多々あるが、
地域あるいは連携の集合体としてみると、相当な競争力を未だに日本の製造は持っているという。
「ワンストップサービスというカタチで、受入は自社でやるけれど、外注に出しますねって形です。
つまりこれから同業者っていうのはなくてはならない存在になっていくと思います。そういった同業者間の連携っていうのはとても有効だと感じます。お互いの技術を公開しながら出来る限りお客様のニーズを受け止められるようにしたいです。折角仕事の依頼がきてもお断りすることはとても残念なことなので。これならあの人の所が得意かもしれない、また提案が出来る姿などにしていかないとだめですよ。」
新興国の方が断然人件費が安いので、同じ仕事が同じように出来るのであれば、海外でいいじゃないか。
日本で作ると利便性がある。ちょっと高いけどやっぱり日本製品っていいよねってアピールしていく事への挑戦。
辰野町は夢も希望もある地域ってことを、地域の企業の連携で作り出していかないといけない。
日本の製造を見直し、世界に散らばってしまったユーザーをもう一度日本に目を向けさせたい。
「昔はタイの電気屋さんに行くと日本の大手メーカーの製品がずらっと並んでいました。現在なんて一台もありませんよ。韓国の大手メーカー製品だけです。」
たしかに、低コストで海外に工場を大々的につくり、価格の面で戦うことも方法のひとつかもしれない。
でも、価格ばかりに目を向けていたら日本の技術は薄れていってしまいますよね。
そんな思いを話してくれた川口社長ですが、これからの未来に向けて今やらなくてはいけない事がたくさんあるという。
経営者なら誰もが思う事、“会社をどう継続させていくのか”
「製造業に若い人が集まらない理由は魅力がないんだと思います。夢や希望をどう与えていくかを含めて考えなければいけないと思います。理由があって希望が持てるって形じゃないと夢や希望が大事ですなんて今時言っても若い子は納得しませんからね。」
こういったコンセプトでやっているから、10年後、20年後も面白いってことを共有できないといけない。
この地域にいる企業の今最も大切なテーマだという。
株式会社シンセイが心がけているのは土俵づくり。
社員はその上に乗って、御嶽海(みたけうみ)みたいにどういった相撲を取るか、個人の判断や力量次第。
川口社長自身、出る杭は打たれるをまさに経験してきた。
「いくらベテランでも、漫然として生きた30年と、意識をもってやった3ヶ月とどちらが重いかっていうと3ヶ月の方が重いんですよ。新しい若手を活用するためには、新しい仕事がある事がベスト。新しい仕事だったら、ベテランも同じように1年生ですから、対等なわけです。新しい仕事を若手に任すと宣言してしまえば、出る杭は生きるんです。だめだったからといって退場なんてことはあり得ませんから、2回や3回すり傷つくった方がいいんです。」
最後にはこういった事を実行できている事が一番の魅力だと力強く話してくれた。
- 会社情報
会社情報 事業者名 株式会社 シンセイ 所在地 長野県上伊那郡辰野町伊那富2690-5 電話番号 0266-44-3600 FAX 0266-44-3622 URL http://shinsei-japan.co.jp 設立年月日 1972年4月1日 資本金 3,200万円 代表者名 川口 竹千代 全従業員数 33名 (うち、男性20名 女性13名) 主な業種 表面処理 事業内容 スマートフォン、自動車、HDDなどの精密部品の表面処理 会社PR なければ設置するをコンセプトに、あらゆる表面処理ニーズをカバーします。
- 会社情報
事業者名 株式会社 シンセイ 所在地 長野県上伊那郡辰野町伊那富2690-5 電話番号 0266-44-3600 FAX 0266-44-3622 URL http://shinsei-japan.co.jp 設立年月日 1972年4月1日 資本金 3,200万円 代表者名 川口 竹千代 全従業員数 33名 (うち、男性20名 女性13名) 主な業種 表面処理 事業内容 スマートフォン、自動車、HDDなどの精密部品の表面処理 会社PR なければ設置するをコンセプトに、あらゆる表面処理ニーズをカバーします。