業  種:
  • ものづくり

事業者名:有限会社 アイテック

キーワードは「継続」

ひとつのことをやり抜くということは、どんなに好きなことであってもなかなか簡単にできることじゃない。

それが仕事ならなおさらです。長くやっていれば辛いシーンに何回もぶつかるはず。

そんななか、やり続けることの大切さを教えてもらえる会社に出会うことができました。

有限会社アイテックは、プラスチック用金型の設計、製造、成形、製品測定を行っている会社で、1991年創業、今年で29年目に入りました。

今回取材を受けてくださったのは、アイテック代表取締役の熊谷社長。 29年間経営者として、また設計士として事業に取り組んで来たその想いを聞かせていただきました。

 

29年間事業を続けてきて、苦労した体験や想いを聞かせてください。

「やはり初めて間もない頃は、スタッフが定着しなかったこと。教えても覚えた頃に辞めていってしまうことが多くあり、大変苦労しました。」

「定着率の悪い原因は、やはり労働条件が安定していなかったこと。賞与の支給や昇給ができたりできなかったりですね。会社の経営がなかなか軌道に乗らなくて、給与面で社員にどうしても負担をかけてしまっていました。」

「今では、経営も安定し定着率もかなり改善されました。現在は正社員が16名、パートが2名で地元の人が多く在籍しています。あとは箕輪町、南箕輪村、塩尻市や岡谷市などの近隣市町村からも数名集まってきてくれています。」

「辰野町というロケーションは、伊那方面、塩尻方面、岡谷方面と三方から人を求められるし、お客さんもまた求めらる。そういう意味では、とてもいいロケーションですね。」

「このロケーションをうまく利用し、もっと経済発展を中心に物事を進めてくべきだと思います。やっぱり経済基盤を一番に考えないと町の活性化が得られない。

辰野が他の近隣市町村との優位性を考えた時に、やっぱりこの『三方にお客さんを呼べ、人を求めることができる』これですよね。この長所をどうやって活かしていくべきかだと思います。」

 

塩尻市などからも社員の方が出勤しているとのことですが、やはりそれは御社の強み・魅力があってのことだと思います。その魅力とはどういったものなんでしょうか。

「弊社はプラスチック部品用の金型を作っています。つまり製造業の基礎技術を担っていますので、本当にものづくりが好きな人たちが集まってきますね。」

「この仕事はね、マスターするのに長い時間がかかるんです。 まず3年くらいは基礎を覚えて積み重ねていく期間があります。」

「3年を過ぎた先も、5年、10年、20年、30年。私は44年この仕事を続けています。 44年続けていますが、いまだに経験してきたことと違うことや新技術がでてきた、というようにいままで経験してこなかったことに直面します。」

「この仕事に一番求められることは『経験の蓄積』です。なので、途中で辞めるということ本当に会社にとって大きな痛手になってしまう。入社したからには、ライフワーク・生涯職業としてやってもらいたいんですよ。」

「それは女性も同じことです。うちにも実際にあるケースなんですが、入社後に結婚・出産退社をし、子育て期間が終わってもう一度戻ってきてくれるということがありました。 これぞまさしく『ライフワーク』ですよね。」

「女性の場合でもそういったライフワークとして仕事ができることが、この仕事・職業のいいところですね。特にうちのように特殊な技術・経験が必要な職種は、一度離れたとしても、その培ってきた経験が大きくものをいいます。」

 

熊谷社長は、長年この仕事をされてきてその度新たな発見・経験をしていらっしゃるとのことですが、やはりそれをやってこれたのは好奇心旺盛な性格が故にでしょうか。

「例えばトラブルが起こった時の原因探しがあります。その原因がわかったら、如何にみんなで共有するか。同じ間違いを他の人がしないようにできるかどうか。というような原因と対策をきちんと会社として共有していくということが大切です。」

「だから好奇心というかアイデアが必要で、設計のシーンでいえばどうすればこれを作ることができるのか、どうすればもっと良くできるのか。製造のシーンでいえば、どうすればより効率よく段取りをして生産性を上げることができるのかというアイデア。」

「そのアイデアをどのように産み出すのか。それは好奇心からくるアイデアということもあるとは思いますが、経験に裏打ちされたアイデアが必要ですね。 闇雲に無鉄砲なアイデアをしても通用しない。経験とか理論に裏打ちされたアイデアが必要です。そういう意味では好奇心旺盛とはまた違うように思います。」

「私はライフワークとして金型設計を44年間、いまだに現役でやっています。 我々のような仕事は40代中頃から直接設計するっていうことから離れることが一般的なんですけど、それは勿体ない話で高齢になっても継続していくべきだと思うんです。」

「管理業務に回る人も出てくると思うけれど、やっぱり実際に実務ができる環境を会社が用意するべきだと考えます。 そうしないとそれまで積み重ねてきた経験が、管理という立場でなら活かすことができるかもしれないけどそうじゃなくて、ものづくり側の現場サイドからずっと継続してくってことが大事なことだと思います。」

「そこの部分がこの業界では抜け落ちちゃってるなぁと感じます。 今は退職されてしまいましたが、金型の仕上げ調整をしていた以前別の会社に勤めていた時の先輩がうちに来てくれていたんですが、70歳を過ぎても現場で長く働いてくれていました。 高齢だからといってできないことではないんですよ。むしろ培った経験を活かさなきゃ非常にもったいないんです。」

「そのためには新しい環境に入り込んでいくことは重要ですけどね。」

「我々の仕事は、25年前ですとドラフターといって製図板で手書きで設計をしていました。 その後二次元CADになり、10〜15年前に三次元CADへと移り変わっていきました。」

「生産性がその都度飛躍的に上がっていきました。それこそ2〜3倍以上上がっていきました。 つまり新しいことに挑戦していくことは、高齢であってももちろん必要にはなります。だけど、高齢だからといってそれを諦めたりすることは違うと思います。」

 

今現在勤められているスタッフは中途の方が多いんでしょうか

「そうですね。うちのスタッフはみなさん中途の人たちです。 似た職種を経験して来る人もいれば、全く違う分野から来た人もいます。 基本的には、うちにきて初めて金型設計・製造をしている人たちです。」

「最初に言ったようにライフワーク、生涯職種にしてほしいですから、やる気を感じる人・長く続けられる人を求めていますね。申し訳ないんですが、いろんな会社を転々としている人は今はお断りしています。」

 

今現在お客様はどのような割合でしょうか

「今現在は県内のお客さんが8割です。伊那、岡谷、諏訪、塩尻、箕輪、南箕輪などの近隣市町村が全体の6割くらいですね。他の県内市町村が2割、県外が2割です。」

「営業のみを行っているスタッフはいなくて、設計者が営業も兼ねています。 納めた仕事が次の仕事を生むというスタイル、リピーターが多いです。」

「やっぱり「継続」が大事で、お客さんと如何に継続して付き合っていけるかですね。 つまり「継続」がキーワードですね。」

「人・お客様の関係も「継続」、仕事も「継続」、設備も「継続」して投資していくということですね。」

  • 会社情報
  • 会社情報
    事業者名有限会社 アイテック
    所在地〒399-0428 長野県上伊那郡辰野町大字伊那富8333-1
    電話番号0266-43-2915
    FAX0266-43-2916
    E-mailhisasi_kumagai@itec-m.co.jp
    URLhttp://www.itec-m.co.jp
    設立年月日1993年2月
    資本金500万円
    代表者名熊谷 久司
    全従業員数17名(うち、男性15人 女性2人)
    主な業種プラスチック用金型製造
    事業内容自動車向け等のプラスチック製品用金型の設計・製造
    会社PR

    少数精鋭による高生産性と高利益率を追求する企業を目指す。

会社情報
事業者名有限会社 アイテック
所在地〒399-0428 長野県上伊那郡辰野町大字伊那富8333-1
電話番号0266-43-2915
FAX0266-43-2916
E-mailhisasi_kumagai@itec-m.co.jp
URLhttp://www.itec-m.co.jp
設立年月日1993年2月
資本金500万円
代表者名熊谷 久司
全従業員数17名(うち、男性15人 女性2人)
主な業種プラスチック用金型製造
事業内容自動車向け等のプラスチック製品用金型の設計・製造
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少数精鋭による高生産性と高利益率を追求する企業を目指す。

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