業  種:
  • ものづくり

事業者名:有限会社双葉製作所

メーカーの顔を持つ、切削工場

 

さまざまな業界における金属部品の切削加工をおこなう「有限会社双葉製作所」。顧客の製品に内蔵される部品生産を担う一方で、「美容機器メーカー」としての顔も持ち合わせています。

「当社には工場とメーカー機能があり、相乗効果が期待できる体制です。50年にわたり蓄積したノウハウをもとに生産された部品は、美容機器にも生かされています。」と語るのは、代表取締役の上原文明さんです。

美容機器は、今後の市場を海外へと広めていく構想もあるとのこと。新しい事業展開への挑戦や、顧客ニーズに広く応える姿勢などを伺いました。

 

 

■ 幅広い業界における「つなげる部品」を生産

 

貴社の歴史と、貴社で生産される部品について教えてください。

 

〈上原社長〉
「まず1969年に、父の代にて上諏訪に設立しました。その後、下諏訪で20年間営業し、2014年にこの辰野町に移りました。

設立当初はカーステレオや『8トラック』という、カートリッジ式磁気テープ再生装置の組み立てから始まりました。その後、時代の需要に伴って、車や精密加工分野の切削加工を任されるようになります。」

 

 

〈上原社長〉
「現在は、さまざまな分野における部品の切削を担っています。例えば『光学機器』の内蔵部品や、『通信機器のコネクター』などの内蔵部品、それから『空圧機器』の継手部品です。例えばお菓子の工場見学に行った際などに様々な機械が見えると思いますが、その機械を動かすためのモーターに代表される電設資材だけでなく、多くの空圧部品が使われています。空気圧を利用して、押す・つかむ・持ち上げる・運ぶなどの動作ができるのです。その他珍しいところでは、ビールサーバーの炭酸ガスレギュレーターの内臓部品なども生産しています。
そして、多くの工場や工作機械に使われるセンサーの金属部品も生産しています。」

 

 

〈上原社長〉
「ほかにも『建設機械や農業機械のエンジン周り』の部品。車とは異なり、同じエンジンがさまざまな機種に載せられていく業界なので、ロングセラーとなれば、長期間にわたって需要があります。
さらに、コロナ禍で需要が増えたのが『ライフルスコープの内蔵部品』。ライフル銃、ピストル、エアガンなどの上に付いている狙いを定める為の望遠鏡の様なものです。日本でアウトドア需要が伸びたように、アメリカでも同様です。中でもハンティング需要も大きく伸びました。銃社会のアメリカではハンティング人口は1,500万人もいるようです。

これら部品はどれも異なるように思えますが、共通して備えるのは、部品と部品をつなげる接続機能。業界は違えども、共通するノウハウを武器に、幅広いお客さまから支持をいただいています。」

 

 

■ 加工機能だけでなくメーカー機能も

 

貴社には辰野の本社工場だけではなく、美容機器に携わる埼玉工場もあるのですね。

 

〈上原社長〉
「埼玉工場では、主に美容機器や健康機器の開発、組み立てなどのOEM生産をおこなっています。例えば、新しい美容機器を開発したいというエステティックサロン経営者、また、サロン向け機械の販売商社のお客さまがいらっしゃった場合、お客さまが希望される形状や機能をしっかりとヒアリングして、ゼロから形にして完成品として提供するのです。

辰野の本社工場で生産するチタンなどの金属部品も機器に入りますので、お客さまのニーズにスピーディーに応えられます。」

 

幅広く事業を展開されているのですね。

 

〈上原社長〉
「かつて、ひとつの業界の部品加工だけで営業できた時代がありましたが、現在もこれからもひとつの分野がずっと成長していく保証は、どこにもありませんよね。時代の流れによって、期待される仕事を広く手掛けるとともに、会社の形を徐々に変えていった結果、今のような事業形態となりました。」

 

 

■ 培ったノウハウを信じて「できない」と言う前にチャレンジ

 

貴社の切削技術について教えてください。

 

〈上原社長〉
「削ることが難しいと言われる材質にも対応できるように、機械や刃物を揃えてノウハウを磨いています。

例えば『美容機器』では金属アレルギーが起きないように『チタン』が多用されますが、チタンは削るのが難しい材質です。そして肌に触れられるように、表面をなめらかに削らないといけません。
また、医療分野の部品になると、錆びにくく、腐食しにくいものが求められます。『ステンレス』の中でもグレードの高いものとなると、硬いために削りづらいのです。そして医療分野の部品には、さまざまなノウハウが詰まっているので、形状は複雑。それでも、もちろん図面通りに正確に作ることが、求められますね。
一方で、コネクターなどの内蔵部品の中には『コバール』が材質として使われることがあります。逆にこちらは、柔らかいために削りづらいのです。

削りづらい材質の場合、削る方法を編みだす試行錯誤も必要ですし、削るのにも時間がかかります。また、刃物が傷みやすいので、替え刃費用も必要です。このように苦労はしますが、簡単な仕事だけを受けていても成長できませんので、積極的に手掛けていきたいと考えています。」

 

 

事業において、大事にされている想いを教えてください。

 

〈上原社長〉
「まずは、チャレンジをしていくという気持ちですね。何もせずに『できない』と言いたくありません。難しそうに見える案件や、取り組んだことのない業界においても、これまでのノウハウによって対応できるものが多いはずです。それに、開拓精神のようなものがないと、成長産業にも乗り遅れてしまいますよね。

あとは、さまざまな業界のお客さまから、いつお声がけいただいても対応できるように、加工設備を整えて待ち構える姿勢を持つことですね。弊社では製品作りにおいて様々な金属の棒材を加工していくのですが、直径2mmから50mmまで幅広い加工に対応できます。個数も試作品から大量生産まで応じられる体制です。」

 

 

今後の展望はありますでしょうか?

 

〈上原社長〉
「この辰野町に来て早8年が経ちます。土地柄としてとても温厚で、また手先が器用で粘り強い方々が多くおいでになります。そんな方々と共にこの地で、いろいろな分野で特徴を出し大きく発展できる会社になっていきたいですね。

また、美容機器においては、アジア展開を視野に入れています。一時は中国のパートナーと手を組んでいたのですが、コロナ禍になってしまい計画はストップ。しかし、そろそろ動き出す予定です。生産工場として、メーカーとして、新しいことを怖がらない姿勢を貫いていきたいですね。」

 

 

 

 

  • 会社情報
  • 会社情報
    事業者名有限会社双葉製作所
    所在地〒39-0428 長野県上伊那郡辰野町伊那富2134-1
    電話番号0266-78-3872
    FAX0266-78-3873
    E-mailfutabass@tuba.ocn.ne.jp
    設立年月日1969 年  7 月  1 日
    資本金500万円
    代表者名上原 文明
    全従業員数合計: 15 人 (内、男性 7 人、 女性 8 人)
    主な業種製造業
    事業内容金属加工及び精密組立
会社情報
事業者名有限会社双葉製作所
所在地〒39-0428 長野県上伊那郡辰野町伊那富2134-1
電話番号0266-78-3872
FAX0266-78-3873
E-mailfutabass@tuba.ocn.ne.jp
設立年月日1969 年  7 月  1 日
資本金500万円
代表者名上原 文明
全従業員数合計: 15 人 (内、男性 7 人、 女性 8 人)
主な業種製造業
事業内容金属加工及び精密組立
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