業  種:
  • 農業・林業

事業者名:ゆがふ農園

五穀豊穣と農業の楽しさを伝えたい

 

川島にある「ゆがふ農園」。無農薬、無肥料にこだわった野菜は地元の方たちだけではなく、箕輪のレストランや東京の八百屋さんにまで届けられています。

事業者の山浦さんは生まれは塩尻でしたがご両親のお仕事で東京にて20年ほど生活し、東日本の震災を機に21才でご家族と塩尻へ戻って来ました。
お兄さんが川島で『農民家ふぇ あずかぼ』を始めたたことをきっかけに辰野町と関わりを持ち、『地域おこし協力隊』に参加しました。協力隊の任期中は雑穀の粟やエゴマ、有機農業の関係を3年間取り組み2020年3月に終了。その4月から農業をはじめました。
現在は川島に住まいを持ち奥様の協力のもと農業に励む30才!!(一児のパパ)
その姿ははっきり言って、カッコいいです!

 

 

どうして農業をやっていきたいと思われたんですか??

 

 

〈山浦さん〉
「農業は今まで全然関係無かったんです。東京に居るときももちろん全然やったこともないし、、ただ塩尻に戻って来て父親が薪ストーブを自宅に設置したりアウトドア系のことが好きで、それで一緒に山とか行くようになってから地域の人達と関わるようになって『畑をやってみないか』と言われまして塩尻で貸していただいた所が一番最初に農業をやり始めたところです。
当時自分も特にやりたいことが無かったんですが、ものづくりをやってみたいと思っていたんです。

 

 

なかなか自分の手先も器用ではないけれど、体力はそれなりにあるから畑仕事をして、それで食べられるものが作れてお金にもなっていけばいいな、、ってことをなんとなく思いながらやり始めたんですね。
それでアルバイトをしながら有機農業の塾だとかセミナーに通ったりして勉強をして2年くらい経ったころに兄が川島の渡戸で空き家を借りてお店を始めることになりまして、改修工事の手伝いなどしていたら『辰野町で農業関係で協力隊をとるからチャレンジしてみないか』と役場の担当者さんに声を掛けていただいて、自分の勉強にもなるしスキルアップにもなるかなと思い『地域おこし協力隊』に参加させていただきました。
3年間農業の関係で関わらせてもらったお陰で勉強もでき、本格的に農業をやっていこうということになりました。

食べることも勿論好きですし、自分の中で何かを作りたかったっていうマッチングが農業だったっていう感じもありますし、どうにかして自分の手に職をつけていかないといけないよな、、なんて思ったところにちょうどピッタリはまった感じですね。」

 

 

〈山浦さん〉
「うちは有機肥料とか土を変えるための物を何か入れるとか、そういうものも一切入れない『無肥料無農薬』って言う形でやっています。」

 

無肥料無農薬にこだわる理由は

〈山浦さん〉
「最初のきっかけとして自分が有機物を入れなかったのが、堆肥だったりとかの肥料の匂いがあまり好きになれなくて、強烈な匂いがするものを土の中に入れてそれを野菜が吸うのってどうなのかな、、っていうのを思っていたので。
入れない事でメリットもあれば勿論デメリットもあるんです。。
なんでこだわるかってのは難しいんですが、結局作る人たちの何が好き、何が嫌いってことだと思うんですよね。
いっぱい作れて立派なものを作るのが好きな人は、化学肥料だとか使った方が上手くいきますし、有機質にこだわりたい人であれば動物の糞だったりを入れたり、またはカキ殻を使ったりだとかって方法もあります。
有機の生き物由来だったり植物由来だったりするものにこだわるってのもわかりますが、僕は何も入れないでやっていくことに対しての面白さを感じているんですね。何も入れないでも出来るっていう面白さです。」

 

 

「それで、どれが美味しいかってことは食べる人が感じることなので。
もちろん自分は自分が作ったものが美味しいって思ってやっていますね。
何も入れないでやるってことは実は大変なことで、考えなければいけないことが色々と出てくるんです。
例えば植物の生理のことでいうと、どう言う風に根を伸ばすんだろうかとか、どういう風にしてあげたら何も入れない状態でも実をつけられるのか、っていうことに対してのアプローチの仕方などが必要で、それを何かを入れるってこと以外で考えていかなければいけないですが、そういったことがすごくたくさん出てくるんですよ。」

 

それは、結構大変なことなのでは?

 

「大変です!
でも、もしそれが成功していくようになれば、どこの場所であろうともどこの土地であろうともアプローチの方法さえ知っていれば野菜を作ることができる。
ということだと思うので、そういうところに面白さを感じているってのが1つですね。」

 

 

「お客さんの中に食に関して関心を高く持っていらっしゃる方がいますので、例えば植物アレルギーがあったりだとか、化学物質過敏症の方だったりだとか、化学物質過敏症の方について言えば普通の農業に使っている化学肥料に反応してしまうってことがあるので、そういった人たちにも喜んでもらえるっていうのもメリットとしてあります。
でもそれがメインかって言われるとそう言う訳ではないんですが、一番は自分の子も含めてですが子ども達にとって食べ物って自分の身体の元を作る大切なものなので、何も入れない無肥料無農薬って部分は結構安心の材料になるのかなってところもありますね。」

 

 

販売先は?

 

「商店街のグラバイステーションに出してもらっているのが直売ではメインですね。それとバローさんや個人のお店のところに買い取りみたいな形で置かせてもらったりしています。
川島のO to &さんのところは毎週金曜日に2千円分だけ持っていったりして店頭に並べてくれたり、樋口にできた新しいパン屋の「comoru」さんもちょこちょこ取ってくれますね。
他には、東京の大田区にある「無肥料 無農薬」の野菜をメインで取り扱っている個人の八百屋さんにも毎週火曜日に野菜を送らせてもらっています。
去年から一年間続けてきて発送先の客さんが増えたり、置かせていただける所も増えたりして、ありがたいことなんですよ。」

 

 

山浦さんがこれから目指す農業とは

 

〈山浦さん〉
「そうですね、、今ですら上手くいっているとは言えないので、やっぱり一つ一つの野菜を作ることのレベルをもっと上げていくってことも勿論なんですが、一番は圃場がいくつもあるんですが、なかなか全てを活かしきれていないところがあるので、そういうところは自分レベルを上げて活かしていきたいです。
今グループで大豆栽培を始めたところがあって、3、4家族ぐらいで一緒に広い田んぼの所を大豆畑に変えていて、そういうグループで味噌作りをしようと思いまして。和音さんが毎年味噌造りの体験をやっているんですけど、そういうので一緒にやったりだとか、川島に移住して来た人たちは皆知っているので声を掛けたりして一緒に野菜作りもしたりしているんですが、そういうことも増やしていけたらいいなと思いますね。

それと、これから先10年後、20年後ってなっていくと確実に農地が空いていくんですね。
今、営農組合で各地区のおじさんたちが集まって蕎麦作りや、もち米作りをやってらっしゃるんですけど、その方達も高齢になってきているので今後はいっぱい空いてきてしまうと思いますね。そういった事も自分の範囲ではないので考え切れることではないですけど、、考えちゃいますよね。。」

 

 

山浦さんのような若い方達が農業をやる事で、農業のイメージも変わってきている様に思いますが

 

〈山浦さん〉
「そういうのもあって欲しいなって思います。
今はコロナの影響で人を呼んだりすることができないんですが、以前は農業塾みたいなことをやったんですよ。
協力隊の方達と東京から10人位の方が来てセミナーみたいな形で教えながら畑仕事をやってもらうってことをやっていたんです。そういった農業に関心を持っている人達が地域にもっと関わって貰えるようにように呼び込んだり、自分が農業をやって行くことでそういう生き方もいいなって思ってもらえるような風になりたいなって。」

 

 

9月に見学させていただいた上島にある3反歩という広さの畑には
人参/空芯菜/もろへいや/つるむらさき/きゅうり/いんげん/ゴーヤ/
白菜/ほうれん草/ビーツ/水菜/小松菜/ターサイ/さんとうな(結球しない白菜)/春菊/チンゲンサイ/ごぼう/大根3種類/カブ4種類/ピーマン/トマト/なす/など、25種類位の野菜を栽培していました。
この場所の他に、ここの3倍くらい広い畑もありそこには、ネギ/じゃがいも/穀類/加工用トマトなどが栽培されているようです。

 

 

〈山浦さん〉
「冬も1月2月は野菜の残渣片付けや支柱の片付け、ハウス保全したりをお日様が出ているときにやったりだとかしています。それから来年の準備している時点でちょっと休みをもらって3月からはまた動き始めています。休める時があまりないので奥さんに『いつ休むの!!』って怒られるんですよ。(笑)
ノウハウが掴めてくるともっと楽になるかと思うのですが、まだまだ勉強中ですね。」

 

 

奥さまは沖繩ご出身なんです!

〈海里波さん〉
「時々、沖縄で食べていた野菜を『ちょっとこれ作ってよ!』って作ってもらったりしています。
この辺りでは珍しい野菜で例えば今の時期でしたら赤いウリ『モウイ』を作っています。赤毛瓜って言うんです。ウリなのでそのまま生で食べるんですけれどツナと和えて食べると美味しいですよ。他には冬瓜も美味しくできましたし、『ナーベラ(へちま)』も作りましたがこれはウリとナスの間のような野菜で人によって好き嫌いがあるかなと思いますね。他にも作って欲しい沖縄の野菜がありますが陽気的に難しかったりするので今のところその位ですかね。」

 

モウイ(赤毛瓜)

 

 

〈海里波さん〉
『ゆがふ』も沖縄由来の名前なんですよ!

 

 

 

〈山浦さん〉
「『ゆがふ』っていう名前の由来は、昔NHKのドラマで『ちゅらさん』ってドラマがあったんですが、そのドラマにもゆがふ食堂っていう食堂が出て来ていたんですが、『ゆがふ』って沖縄に『弥勒(みるく)世果報(ゆがふ)』という言葉があるんですが、『世果、果報』があるっていう昔の言葉で、五穀豊穰を示す意味なんですよ。
果報っていうのがやったことに関してそれに見合うことが起こるっていう意味で、元があって結果が出るっていう意味なんですけど。それが五穀豊穰ってことに繋がって行くんです。『ちゃんとやったから実りがある』ってことなんです。
それで『弥勒世果報』の弥勒っていうのが弥勒菩薩ってことで仏教信仰の中で弥勒菩薩信仰ってのが沖縄では進んでいるんですが『世果報弥勒』っていう一つの言葉になって、それが五穀豊穰とは別の意味で『この世の素晴らしい場所』っていう意味になるんですよね。ですので五穀豊穰とそういう信仰が固まった言葉のようなんですけど、その「ゆがふ(世果報)」だけ切り取って、五穀豊穣って意味で『ゆがふ農園』にしたんです。
沖縄でとても素晴らしいっていう意味の言葉なんです。」

 

 

 

  • 会社情報
  • 会社情報
    事業者名ゆがふ農園
    所在地〒399‐0511 長野県上伊那郡辰野町大字横川3477番地
    電話番号080-6540-0821
    E-mailinfo@yugafufarm.com
    URLhttps://yugafufarm.com/
    設立年月日平成29年4月3日
    代表者名農園長 山浦 泰
    全従業員数2人(内、男性1人、女性1人)
    主な業種農業
    事業内容農薬や化学・有機肥料を使わずに、無農薬・無肥料で農産物の栽培を行い、個人宅配や飲食店への販売の他、都内の小売店や辰野町内の直売施設で販売しています。
会社情報
事業者名ゆがふ農園
所在地〒399‐0511 長野県上伊那郡辰野町大字横川3477番地
電話番号080-6540-0821
E-mailinfo@yugafufarm.com
URLhttps://yugafufarm.com/
設立年月日平成29年4月3日
代表者名農園長 山浦 泰
全従業員数2人(内、男性1人、女性1人)
主な業種農業
事業内容農薬や化学・有機肥料を使わずに、無農薬・無肥料で農産物の栽培を行い、個人宅配や飲食店への販売の他、都内の小売店や辰野町内の直売施設で販売しています。
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