- 業 種:
- 建築・土木・設備
事業者名:有限会社 穂苅軌道
100点の線路を目指す 鉄道を守り続ける保守工事
鉄道の保守工事をおこなう「有限会社 穂苅軌道」。担当エリアは、中央東線の小淵沢駅や信濃境駅あたりから塩尻駅構内までと、中央旧線の辰野町周辺です。
「鉄道保守工事は、チームワークがいちばん大事。チームワークが良ければ、あとから技術が付いてくると思っています。仕事をしやすい職場環境にも繋がりますね。」と話すのは代表取締役社長の穂苅雄一さん。ひとりではできない仕事だからこそ、リーダーの指示のもと、メリハリある作業をおこなっています。
インフラである鉄道を守る仕事や技術、チームワークなどについて穂苅雄一さん、専務取締役の穂苅壮太さん、富士原直貴さんにお話を伺いました。
■鉄道における、縁の下の力持ち
創業は1982 年、当初は国鉄用地に事務所を構え、2019年に現在の場所に移転。当時より、鉄道保守工事を手掛けてきました。
「鉄道補修を目にすることは、なかなかないかもしれませんね。鉄道が走らない夜間に作業がおこなわれています。」
線路は、列車の荷重が繰り返し加わることで、軌道の各部に変形が生じていくもの。レールを変えたり、枕木の下の砕石を整えたり、レールの起伏を平らにしたりと、さまざまな保守工事をしています。
忙しいのは9月から3月頃とのこと。それはレールが鉄でできており、鉄は外気温で伸び縮みする性質があるからです。夏は気温が上がれば膨張し、冬になり気温が下がれば縮みます。夏に、抵抗となる砂利を崩してしまうと、レールが伸びやすくなってしまうので、夏に大きな作業をおこなうことはできません。
「夏は鉄が横に伸びるので、冬の間にレールを調整しています。レールを切って、レールを引っ張って夏に備えます。」
季節に合わせた保守管理や修繕の年間計画が定められているので、そのとおりに作業がおこなわれていきます。
■チームワークを活かして手際よく
鉄道保守仕事は、チームワークが大切。例えばひとりがレールを持ち上げている間に、もうひとりがレールを交換するなど、意思疎通が必要です。
「チームワークを武器に、安全面を考慮しながら、段取りや効率を考えて、進めています。」
作業に取り掛かる前には、時間や品質などの施工管理を担う現場の責任者「軌道工事管理者」と、作業におけるリーダーとなる「作業管理者」が現場を把握。しっかりと話し合い、作業の段取りを考えて、現場では作業者に、的確な指示を出しています。この段取りのおかげで、ムダのない仕事が成立します。
「その日の作業が終われば帰宅できるので、早く帰れることも、モチベーションになっているようです。作業量が少ない時期は、1日3時間ほどの作業で帰宅できる日もあります。」
仕事後は、振り返りをおこないます。その日の反省点や、良かった点などを言い合って、翌日の現場に活かすと同時に、現場での視野を広くします。
「いろんな見え方が集まったほうが良いので、いろんな社員がいると良いですね。その“気付き”は成長にも繋がります。」
穂苅軌道では、20〜60代までまんべんなく社員が在籍していて、特に多いのは30〜40代です。現場の責任者である「軌道工事管理者」は、一般的には50〜60代の有資格者が多いものですが、穂苅軌道では30代の若手でも取得し、活躍しています。
■社内技術を広げ、高めていく
溶接までできる鉄道保守業者は少ないのですが、穂苅軌道では、溶接も担当。道具や教育にも投資して、仕事の幅を広げています。
「今までは、レールにおける溶接や電気関連において、それぞれ専門業者がいました。しかし、みなさん人出不足ということもあり、都心から出張してくる業者もいるなかで、なかなか業者のタイミングを合わせられず、仕事が進まない状態がありました。
そこで業者と話し合い、当社に技術を伝えてもらえることになったんです。今では当社で溶接もできるので、自分たちの都合で動けるようになり、とても仕事の効率が良くなりました。」
これまでの専門以外の技術も培うことによって、経費削減や時間短縮にも繋がり、元請け業者からの評価も上がったのだそう。後継者不足の世の中で、人手があり、元気のある会社への技術移転は、末永く必要となるインフラ整備を支えます。
「今までも今後も、目標は“100点の線路を目指す”こと。信頼をいただいて、わたしたちが地元の路線を守らせてもらっているという誇りがあります。地元の路線の細かいところも知り尽くしている自負がありますね。」
機械に任せられる仕事ではないので、社員のレベルアップが大事。知識を活かして、そしていろんなことができるように、新しい技術も身に着けていきます。
■現場作業のリーダーとして。メリハリがある仕事
入社して8年目の富士原直貴さん。これまでサービス業や製造業などを経験しましたが、穂苅軌道の在籍が一番長くなりました。現在は現場作業のリーダーである「作業管理者」を任命されています。
「内容的には大変なこともあります。しかし職場内の仲がいいので、楽しくできています。意見も言いやすいですし、チームワークがとても良いことが、これまで続けられている理由だと思います。」
入社後は、基礎となる道具の使い方などを勉強会で学習。その後、現場で作業内容を学んでいきます。1年周期の作業となるため、すべての作業を経験するには、最低1年かかります。「作業管理者」を任せられるようになるには、仕事を把握・指示出しができるくらいに、段取りを覚えなくてはなりません。
「現場は時間が限られているので、メリハリが大事です。現場に行って、想定していた状況と異なることもありえますので、2の手、3の手まで考えて現場に臨んでいます。
最近では、溶接の技術を身につけられたことが、やりがいに繋がっています。すべてできることが、誇らしいですね。」
見学は大歓迎。作業が夜間となるので、生活リズムが合うのであれば、ぜひ見に来てほしいとのこと。
「僕は夜間に仕事をして、日中に自由に動けた方が、時間が作りやすくて良いなと思っています。朝帰って、お昼過ぎぐらいまで寝るんですけど、例えば日中にある子どもの行事にも出席しやすいですね。わざわざ休みを取らなくても済むのが、いいと思います。」
今後は、作業責任者として「もっと頼られるようになる」のが目標です。
「自分で最初から最後まで仕事の中身を考えて、作業員を動かしてっていうのは、大変な面もありますが、やりがいのひとつだと感じます。もっと頼られるようになって、現場をまとめていきます。」
- 会社情報
会社情報 事業者名 有限会社 穂苅軌道 所在地 〒399-0428 長野県上伊那郡辰野町大字伊那富58番地1 電話番号 0266-41-4019 FAX 0266-41-4012 E-mail hokari-kidou-tatuno@orchid.plala.or.jp URL https://hokarikido.com/ 設立年月日 昭和57年 10月 19日 資本金 1000万円 代表者名 代表取締役社長 穂苅雄一 全従業員数 23人(内、 男性 23人、女性0人) 主な業種 建設業 事業内容 鉄道保守工事
- 会社情報
事業者名 有限会社 穂苅軌道 所在地 〒399-0428 長野県上伊那郡辰野町大字伊那富58番地1 電話番号 0266-41-4019 FAX 0266-41-4012 E-mail hokari-kidou-tatuno@orchid.plala.or.jp URL https://hokarikido.com/ 設立年月日 昭和57年 10月 19日 資本金 1000万円 代表者名 代表取締役社長 穂苅雄一 全従業員数 23人(内、 男性 23人、女性0人) 主な業種 建設業 事業内容 鉄道保守工事