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体験者の声

シンガポール企業が里山ワーケーションして見つけた地域の可能性

辰野町には、多種多様なコンテンツがあり、さまざまなワーケーションのニーズに沿ったプランを組めるのが魅力の一つです。

今回、ご紹介するワーケーションモデルは、シンガポールを軸に日本人向けにライフスタイルメディア事業を展開する、Fifty One Media Pte Ltdさん。

シンガポールや日本全国に社員がいる同社は、オンラインベースのコミュニケーションのため、リアルな場で集まってチームワークを高めたり、今後日本の地域文化を海外に発信していく事業に取り組んでいく目的で、辰野町でワーケーションを実施いただきました。

実際に体験してみた感想を寄稿いただきましたので、ご紹介いたします。

初日は小野酒造で酒蔵見学。日本酒の魅力を海外に伝えたい

約一週間に渡る研修を長野県辰野町でさせて頂き誠にありがとうございました。自分たちが実際訪れて、過ごしてみて感じた感想をそれぞれ書いてみました。

最後まで読んで頂けると幸いです。

まず初めに見学に行かせて頂いた小野酒造さん。私は訪問する前日にたまたま夜明け前のお酒を飲ませて頂いていたので、それを作っている場所に行き過程を知れることをとても楽しみにしていました。

私自身、兵庫県の灘五郷というところで日本酒の資料館などを見たことがありましたが、実際に小野酒造の中に入らせて頂き、作っている過程を直接見たり、作っている方のお話を聞くのは初めてで普段できない経験をさせて頂きました。

酒粕の仕分け作業を見学

飛騰と燈火の日本酒にこめられた名前の由来やできあがるまでの過程のお話を聞いた際に、ただ説明文を読むだけでなく作った人から直接聞くことでさらにこのお酒の価値は増すのだと思いました。

またその価値や魅力を是非シンガポールの人にも伝えたいと思いました。シンガポール国内で日本酒の需要が高まっている今、是非お力になってさらに日本酒の良さ、小野酒造さんの良さを伝えて輸出だけでなくコロナが落ち着いてきたときには観光など実際に訪れてもらえるような繋がりができたらと思いました。

小野酒造の皆さんと

 

薬膳料理ランチに感動

その後に食べた薬膳料理はすべてが美味しくてびっくりしました。

一度の食事であの数くらいおかずを食べることがないのと、素材の味を活かして作られた一つ一つに感動しました。一人暮らしや忙しいと健康的な食事を取るのが難しいけれど、智子さんもお話しして頂いたように体が1番大事だったり最低限とらないといけない栄養だったりを考えて食事をしていこうと思いました。

料理だけでなく智子さんの人柄も魅力的で初めてあったとは思えないほど暖かく素敵な時間を過ごすことができました。

薬膳料理レストランひなたぼっこの中村智子さんの手作り料理。春の里山食材がふんだんに使われています

里山サイクリングでリフレッシュ

食後にしたサイクリングは辰野町の魅力を肌で感じることができました。

ダムやキャンプ場、どの季節に来ても新しい魅力を感じることができてまた来たいと思わせてくれる素敵な場所ばかりでした。

個人的に秋にもう一度来て、真っ赤に染まった紅葉も見たいと思いました。世界中をサイクリングしている小口さんに案内して頂けるのもここでしかできない体験だということをみにしみて感じることができました。(太田)

軽風が心地よく吹き抜ける川島をサイクリング

自分が欲しいものをつくる。トビチ商店街から学んだまちづくりの本質

 2日目は、商店街ツアーから始まりました。自分の地元にもあったらいいのにと思うほど素敵な雑貨屋さんやカフェをめぐり、コワーキングスペースの見学もしました。

 どの場所も地元の人と交流できるスペースや機会が設けられており、「地元の子供たちが地元の商店街をよく知らないまま地元を離れていくことを防ぎたい」という話もお聞きしました。

 自分の地元への認知について再考する機会となったと同時に、もし自分の地元のどこが好きかと聞かれたら辰野の皆さんのように答えられるだろうか、と自分自身の地元の姿についても考えるきっかけとなりました。

 もっと幸せに生活できるものを作りたい、こんなものがあったらいいのにと思うものを作りたい、みんなが欲しがっているものを地元にも作りたい、といった気持ちが根源となり町おこしを行っている姿を見て、地方創生と一口に言っても、ただ便利になればよいのか、ただ知名度が上がればよいのか、地方創生の成功とは何を指しているのかを改めて深く考える時間となり、地方創生に携わっていく上で大変勉強になることばかりでした。

 商店街で実施したDIYでは、漆喰塗りを体験しました。自分が関わったものが今後どんな形になるのか、作っている段階からすごく楽しみでワクワクしながら作業に取り組みました。初めて辰野町を訪れたはずなのに、地元の方のDIYに携わったことでどこか故郷のような感情が生まれ、また戻ってこよう、次に戻ってくるときはどんなふうに変化しているだろう、自分の作った場所はどうなっているだろう、と感じ、ものや場所に愛着がわくのもDIYの一つの利点だと感じました。そういったことを利用してまた町に戻ってきたくなるDIYイベントを外部の人と行うというのも、町おこしの一つとして大変魅力的だと考えました。(小笠原)

トビチ商店街の中にあるカルチャー空間「& garage」

古民家カフェで地域創生事業のブレスト

 三日目のあすかぼカフェで過ごした時間は、地方のこれからの在り方と自分たちの現在を考えさせてくれる非常に貴重な時間となりました。

 午前中の辰野町様の魅力と協業プランを考えさせていただきました。辰野町様の魅力である「チャレンジする人が集まる環境」「人の温かさに触れることができる町」「豊かな自然と絶品の食事」は、日本国内だけでなく海外の方にも知っていただきたい魅力です。まずは直近で可能なことからスタートし、辰野町様の魅力的な食品や観光客誘致のお力になれたらと思っております。

 また、午後は社内ワークショップの場として使用させていただきましたが、古民家の雰囲気は非常に独特で考え事をするには最適の場所でした。顔を突き合わせて同期や上司と話す機会が少ないので、忘れられない思い出になりました。

地域新拠点を探しに空き家見学ツアー

 四日目はオフィス探しの為に町を歩いて回りました。そこで、実際に町を歩いて見て回ることで、町の空き家の実態を知ることができました。現存する空き家を資産として活かすことで、地域の活性化に繋がることを体験しました。実際に自分たちのオフィスを探す経験は初だったので、社員一同ワクワクしながら物件を見て回ることができました。

 五日目のKrindoでの業務は、最終日ということで名残惜しさがありました。川のせせらぎを聴きながらの仕事は、普段とは全く違うものになりました。帰り際は皆で「また辰野町に来たいね」と話しながら帰ったことを覚えています。

 この日までに感じた・体験したことから、日本とシンガポールの架け橋となれるようにより一層精進していこうという思いが強まりました!辰野町の皆さんありがとうございました!(小山内)